隣の部屋で寝ている子、大晦日からつけっぱなしで誰も見ていないのに煌々とした光を部屋中に放つテレビ。行くはずだったシティビューの招待券、掃除が途中の部屋。

私は感情が摩滅してしまうことが怖い。冬の夜は長いが、今の私にはそれが救いのように思える。「まだ時間がある」、そう思えるからだ。その感覚は錯覚かもしれない。それでも、あたかも抱擁を受けているような、この時間かせぎの甘美さは。