2006-08-01から1ヶ月間の記事一覧

しまりきらず少しだけ開いた冷蔵庫のドアから、どろどろとしたオレンジ色がこぼれてきた。そのオレンジ色は半固体、半液体で、蛍光灯の光を浴び、てらてらと光っている。次から次へと溢れて、床へ扁平状に広がっていく。

「教養」のない人間には酒を飲むことくらいしか残されていない。「教養」とは学歴のことではなく、「一人で時間をつぶせる技術」のことでもある。 「今夜、すべてのバーで」

人のことを軽蔑しないこと。心の中で嘲らないこと。無理に欠点を探して、優越感をひそかに感じないこと。無意識のうちにそんな行為をしてしまっていることを自覚すること。 人をわらうまえに、自分をわらえ。人を評価するまえに自分を評価せよ。

失はれる物語 (角川文庫)作者: 乙一出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2006/06/01メディア: 文庫購入: 9人 クリック: 77回この商品を含むブログ (249件) を見るどの話もぐいぐいと読ませる。心に残るものだってある。だけれど、この本が訴えかけるだろう世代…

COCCOのライブへ行く。あまりにも思い入れがありすぎて、彼女の音楽についてうまく語れる気がしないし、語ろうとする気もおきない。あのころ彼女の音楽に自己を同一化していた。うまく距離をとろうとして、ずいぶん長い間、聴こうとしなかった。いや、違うな…

昨日から今日にかけて読み終えた本。熊の敷石 (講談社文庫)作者: 堀江敏幸出版社/メーカー: 講談社発売日: 2004/02/13メディア: 文庫 クリック: 13回この商品を含むブログ (89件) を見る幾重にも重ねられた層の奥に、なにか核心めいたものがある。その核心と…

静かに流れる川、それに寄り添うような並木、犬を連れた老人、彼を追い越すランナー。いつも、僕はこのコースを散歩していた。並木にも、老人にも、ランナーにも興味はない。僕は、ただ川だけを見つめながら歩いていた。 川の底を見ることはできない。ひどく…

小手指で一晩を明かす。小さくて静かな街だった。

内気な人の常として、ふとした機会にできた友達で満足して、そのままつきあいを続けてゆくものだが、この弁護士の流儀がそうであった。 かれの友愛の情は、蔦のように、長い時間をかけて成長したもので、かならずしも、相手が友達として適当だからというわけ…

研究者になった自分を考えると、あまりかっこい姿が思い浮かばない。訓詁学にも学説輸入にも興味がない私は向いているのだろうか。

おとといあたりから廃人のような毎日を送っていた。M社の一日限りのインターンシップへ行く。参加型の説明会のようなものだった。終わった後、同じグループの人たちとお茶を飲む。少し若いみんなは、きちんとし大学生活を送っているなあと思った。自分はどう…

身の丈

自分の身の丈にあった生き方をしてみようと思っている。聴く音楽も、読む本も、会う人も。それは諦めと似ているけれど、勇気が必要なことでもある。とりあえず自分にまつわるものを直視しなくちゃいけない、という勇気。

人の目ばかり気にしているうちに、ちょっとずつ自分をだましだしている。ぜんぜん自分でも気づかないうちに。でも見ている人は、とっくに気づいている。私の自己欺瞞に。そのことを思うと、とても恥ずかしい。

午後から学校へ。警備室へ落とした財布を取りに行く。その近くには生協書店があるので、吸い寄せられるように入る。散々悩んだ後、ハンナ・アーレントの「暗い時代の人々」を買う。このところ20世紀前半に、魅かれている。論文のテーマにしようかと、ちょっ…

一日快晴。ふと体を動かしたくなって、ジョギングをしようと思い立つ。Tシャツとナイロンのジャージに着替え、玄関に向かったのだけれども、ランニングシューズが見つからず、ちょっと探したあと引越しのときに捨てたことを思い出す。今の今まで忘れていたこ…

動物農場 (角川文庫)作者: ジョージ・オーウェル,George Orwell,高畠文夫出版社/メーカー: 角川書店発売日: 1995/05/01メディア: 文庫購入: 14人 クリック: 109回この商品を含むブログ (125件) を見る『1984』(ペンギンブックスで読んだ)に続く、オーウェル…