動物農場 (角川文庫)

動物農場 (角川文庫)

1984』(ペンギンブックスで読んだ)に続く、オーウェル二冊目。
解説で開高健は「政治を扱って成功した」貴重な小説だ言っていて、そのとおりだと思う。彼のいうように、文学的素養がある人なら、あからさまな政治のカリカチュアを書くことは忌避したがるだろうし、実際オーウェルでなければここまで成功しなかっただろう。ではなにが成功要因なのかというと、社会主義ファシズムへの風刺の鋭さはもちろんだけれど、物語のテンポの良さと、なんといっても登場する登場「動物」たちの、動物的要素と人間的要素のミックス具合の絶妙さ。

動物農場」のあとに収録されていたエッセイのような短編のような作品も気になったので、もうちょっと彼の本を探して読んでみようと思った。