午後から学校へ。警備室へ落とした財布を取りに行く。その近くには生協書店があるので、吸い寄せられるように入る。散々悩んだ後、ハンナ・アーレントの「暗い時代の人々」を買う。このところ20世紀前半に、魅かれている。論文のテーマにしようかと、ちょっと目論んでいる。その帰り、講堂の近くを歩いていると友人とすれ違う。なんだか不意を突かれてうまくしゃべれない。彼は毎日学校のプールに入っている、という。小学生みたいだね、と私がいう。彼は夏が似合うな、と思って眩しくなる。
恋人に電話をして、会うことになる。体調が悪いという言葉どおり、だるそうだった。やさしい言葉をかけるけれども、その言葉がやさしく響いているか、分からない。
帰りの電車ではずっと「哲学マップ」を読んでいて、地元の駅に戻ってきてもホームを歩きながら読んだ。夜ご飯を食べる前に、乙一「失はれる物語」を読み出す。