隣の部屋で寝ている子、大晦日からつけっぱなしで誰も見ていないのに煌々とした光を部屋中に放つテレビ。行くはずだったシティビューの招待券、掃除が途中の部屋。私は感情が摩滅してしまうことが怖い。冬の夜は長いが、今の私にはそれが救いのように思える…

あけましておめでとうございます。

六本木クロッシング

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http://www.mori.art.museum/contents/roppongix02/index.htmlこの展覧会は、現代美術への理解深度によってまるで楽しみ方が異なるものだろう。ブースを設けるのではなく、個々の作品が空間を共有し、干渉しあう展示方法がなされている。ある程度の知識があ…

単一民族神話の起源―「日本人」の自画像の系譜作者: 小熊英二出版社/メーカー: 新曜社発売日: 1995/07/01メディア: ハードカバー購入: 9人 クリック: 103回この商品を含むブログ (91件) を見る「単一民族」に関する言説を圧倒的なボリュームの資料からの渉猟…

ナショナリズム―名著でたどる日本思想入門 (ちくま新書)作者: 浅羽通明出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2004/05メディア: 新書購入: 2人 クリック: 54回この商品を含むブログ (70件) を見る政治学の名著30 (ちくま新書)作者: 佐々木毅出版社/メーカー: 筑…

ミルは議会が充分な立法能力をもつことに懐疑的だった。 特にミルが怖れたのは「階級立法」の出現であった。彼の『経済学原理』は資本主義が深刻な二つの階級の分断を生み出し、人格の陶冶などとまったく両立不可能な状態を生み出したことを的確に指摘してい…

したがってまた資本主義的私有も、自分の労働にもとづく個人的な私有の第一否定である。しかし、…それ自身の否定を生み出す。しかし、資本主義自体の成果を基礎とする個人的所有をつくりだす。すなわち、協業と土地の共同占有と…生産手段の共同占有とを基礎…

社会学入門―人間と社会の未来 (岩波新書)作者: 見田宗介出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2006/04/20メディア: 新書購入: 15人 クリック: 176回この商品を含むブログ (133件) を見る筆者は、社会学の領域横断性を指して、「それ自体は目的ではなく結果であ…

沢尻エリカの一件(極端な不機嫌な態度でプロモーションを行った一連の件)は興味深くてよく記事を読んでいた。 ひとつには、単純に「調子に乗っている芸能人が叩かれる」という構図を面白がる俗っぽい感情があったからだ。たしかに彼女がやったことは、子供じ…

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「そろそろ反撃してもいいですか」というコピーの不快感は二つある。 ・反撃以前に加入していたユーザーに対しては、反撃するだけの力はあったのに放っておいたのかよ。 ・携帯電話ビジネスは、利用者がいて成り立つビジネス。ドコモ⇔他キャリアという単純な…

しまりきらず少しだけ開いた冷蔵庫のドアから、どろどろとしたオレンジ色がこぼれてきた。そのオレンジ色は半固体、半液体で、蛍光灯の光を浴び、てらてらと光っている。次から次へと溢れて、床へ扁平状に広がっていく。

「教養」のない人間には酒を飲むことくらいしか残されていない。「教養」とは学歴のことではなく、「一人で時間をつぶせる技術」のことでもある。 「今夜、すべてのバーで」

人のことを軽蔑しないこと。心の中で嘲らないこと。無理に欠点を探して、優越感をひそかに感じないこと。無意識のうちにそんな行為をしてしまっていることを自覚すること。 人をわらうまえに、自分をわらえ。人を評価するまえに自分を評価せよ。

失はれる物語 (角川文庫)作者: 乙一出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2006/06/01メディア: 文庫購入: 9人 クリック: 77回この商品を含むブログ (249件) を見るどの話もぐいぐいと読ませる。心に残るものだってある。だけれど、この本が訴えかけるだろう世代…

COCCOのライブへ行く。あまりにも思い入れがありすぎて、彼女の音楽についてうまく語れる気がしないし、語ろうとする気もおきない。あのころ彼女の音楽に自己を同一化していた。うまく距離をとろうとして、ずいぶん長い間、聴こうとしなかった。いや、違うな…

昨日から今日にかけて読み終えた本。熊の敷石 (講談社文庫)作者: 堀江敏幸出版社/メーカー: 講談社発売日: 2004/02/13メディア: 文庫 クリック: 13回この商品を含むブログ (89件) を見る幾重にも重ねられた層の奥に、なにか核心めいたものがある。その核心と…

静かに流れる川、それに寄り添うような並木、犬を連れた老人、彼を追い越すランナー。いつも、僕はこのコースを散歩していた。並木にも、老人にも、ランナーにも興味はない。僕は、ただ川だけを見つめながら歩いていた。 川の底を見ることはできない。ひどく…

小手指で一晩を明かす。小さくて静かな街だった。

内気な人の常として、ふとした機会にできた友達で満足して、そのままつきあいを続けてゆくものだが、この弁護士の流儀がそうであった。 かれの友愛の情は、蔦のように、長い時間をかけて成長したもので、かならずしも、相手が友達として適当だからというわけ…

研究者になった自分を考えると、あまりかっこい姿が思い浮かばない。訓詁学にも学説輸入にも興味がない私は向いているのだろうか。

おとといあたりから廃人のような毎日を送っていた。M社の一日限りのインターンシップへ行く。参加型の説明会のようなものだった。終わった後、同じグループの人たちとお茶を飲む。少し若いみんなは、きちんとし大学生活を送っているなあと思った。自分はどう…

身の丈

自分の身の丈にあった生き方をしてみようと思っている。聴く音楽も、読む本も、会う人も。それは諦めと似ているけれど、勇気が必要なことでもある。とりあえず自分にまつわるものを直視しなくちゃいけない、という勇気。

人の目ばかり気にしているうちに、ちょっとずつ自分をだましだしている。ぜんぜん自分でも気づかないうちに。でも見ている人は、とっくに気づいている。私の自己欺瞞に。そのことを思うと、とても恥ずかしい。

午後から学校へ。警備室へ落とした財布を取りに行く。その近くには生協書店があるので、吸い寄せられるように入る。散々悩んだ後、ハンナ・アーレントの「暗い時代の人々」を買う。このところ20世紀前半に、魅かれている。論文のテーマにしようかと、ちょっ…

一日快晴。ふと体を動かしたくなって、ジョギングをしようと思い立つ。Tシャツとナイロンのジャージに着替え、玄関に向かったのだけれども、ランニングシューズが見つからず、ちょっと探したあと引越しのときに捨てたことを思い出す。今の今まで忘れていたこ…

動物農場 (角川文庫)作者: ジョージ・オーウェル,George Orwell,高畠文夫出版社/メーカー: 角川書店発売日: 1995/05/01メディア: 文庫購入: 14人 クリック: 109回この商品を含むブログ (125件) を見る『1984』(ペンギンブックスで読んだ)に続く、オーウェル…

遅刻が多すぎる!!!あまりにもひどい。予定にたいして準備もしないし、確認もしていない。われながら、こんなに馬鹿だと思っていなかったよ。

ねずみ色のスーツを着るにはあまりにも暑すぎる季節なのだが、クールビズな服も持っていないしましてや私服ではとても許されないので、素肌の上からワイシャツを着てジャケットをはおる。そのまま一日が過ぎる。いま、そのワイシャツは一日中歩き回った私の…

[読書]

タンノイのエジンバラ (文春文庫 (な47-2))作者: 長嶋有出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2006/01/01メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 8回この商品を含むブログ (71件) を見る小さくて見逃してしまいそうなものごとにたいする描写が、やはり上手だと思う…

花火。疲労。眠気。